tame insect diary(仮)

生物多様性とは何か?植物や虫を観察し、探求する親子の日常を綴る

東高根森林公園観察会 2022.11.06

先日、地元の県立公園で観察会があるのでいらしてくださいとお声をかけていただき行って来ました。
現地でご挨拶をしたのち、すぐに駐車場周りで観察が始まりました。

駐車場での観察。ハナミズキの根元を見ていますが、はて。

垣根の植物は「ヒュウガミズキ」と教えていただきました。もう花芽が観察出来ます。

コブシとハクモクレンの違いを皆さんで観察したあと、コブシの実を観察。

右側の白丸の部分が雄蕊の痕で、左側の白丸の部分は実を引き抜くと出てくる「へその緒」と呼ばれる部分だそうです。

ヒュウガミズキの垣根に葉が丸坊主ヘクソカズラがあったので見ていると

褐色タイプのホシホウジャクの幼虫がいました。

公園内に入るとすっかり秋景色。

色づいたトキリマメの房が弾けて種子が出ていました。

コムラサキにいたシモフリスズメの幼虫。

シュウメイギクは凛と1本ずつ。

ヤブミョウガヨコヅナサシガメの幼体。

ホトトギスを観察していると足元にセスジツユムシ♀。

ボロボロのジュズダマ周りをみんなで必死に捜索。ようやくあったクロコノマチョウの蛹と抜け殻。

今が見頃のタマアジサイもあちらこちらで。

芝生広場に見事に紅葉した柿の木がありました。こんなに葉が落ちず紅葉するのは珍しいとのこと。

古代植物園内でクコの花。(実は撮り忘れ)

立派なサネカズラの実も古代植物園内。

ヒオウギの種子は珍しいと仰っていました。

彩りを豊かにしていたツワブキの花にシロオビノメイガ。この辺は僕の出番です(笑)

春に咲いていたアジサイゾーンではボタンクサギが見頃を迎えていました。

ネムノキのひこばえにいた大きめのヤガ科の幼虫はウンモンクチバだと思います。

ジョロウグモの見事な巣にハラビロカマキリの姿が。そこからどうするのか気になる所。

手すりゾーンでは小さなウチワコガシラウンカ。

こちらはクヌギカメムシ。お腹の気門が黒くなかったので、多分ヘラクヌギカメムシ♂。

トイレ前のベンチで小休憩。と足元に小さな緑がピコピコ。初見のアカイラガ幼虫でした。

雑木林の崖下にひっそりと咲いていたのは猛毒のトリカブト

帰路は幼虫ラッシュ。脱皮したてのナシケンモン。

枯れ葉の中で越冬モード?シロヒトリでしょうか?

ヤブマメの葉上にコミスジの幼虫。

もう11月でしたが、色々な植物と紅葉と昆虫が観察出来ました。
参加された方たちも大満足だったようです。僕もとても有意義な観察会となりました。勉強になるな~。



























キマダラカメムシ

三連休を直撃した台風14号。強風の中、ノブドウの葉にしがみ付いているキマダラカメムシの終齢幼体がいました。

f/2.8 1/40秒 ISO-100 深度合成8枚

成虫の個体は余り好みではないのですが、幼虫の幾化学的模様とカラーリングはとても格好良いなと思っています。ただ問題は増えすぎてしまっている現状です。他のカメムシに影響が出ていないと良いですが…。

キマダラカメムシ Erthesina fullo】
2022.09.19 神奈川県川崎市

カンタン

夜の多摩川へ伺うと、クズとアレチウリの群生から色々な鳴き声が聴こえて来ました。その中でも、ひと際耳に響いたのが「リリリリリリリリリッ!」と鳴いているカンタンです。

カンタン雄 f/10 1/160秒 ISO-100

鳴き声を頼りに見つけると、僕の電球の明かりに反応し鳴き止んでしまいましたが、美しい透明な翅を収めることが出来ました。

カンタン雌 f/9 1/200秒 ISO-100

近くのアレチウリの葉上で雌も見つけました。透き通るような黄緑色が美しい種ですが、外来種という見方も存在しているようです。

【カンタン Oecanthus longicauda
2022.09.12 神奈川県川崎市多摩川


カネタタキ

9月に入りあちらこちらで「ヒッヒッヒッ」「ティンティンティン」と鳴き始め出したカネタタキ。人によって聴こえ方は様々だと思いますが、僕は上記のような雰囲気で聴こえます。
雄は翅が退化してお腹の半分ほどしかありませんが、この短い翅2枚を上手に動かし音色を奏でています。

カネタタキ雄 f/10 1/200秒 ISO-100

カネタタキは雑食性のようで都市部の環境に順応し、耳を澄ましながら歩いていると都内の至る所で鳴き声を聴くことが出来ます。ツツジの垣根などで静かにしていると、やがて彼らの姿を見ることが出来るでしょう。

カネタタキ雌 f/5.6 1/160秒 ISO-200

彼らは活動期も長く12月まで観察出来、且つ多くの方が鳴き声を認識してなく姿も見たことが無いので、観察会には持って来いの種だと思います。

【カネタタキ Ornebius kanetataki】
2022.09.08 神奈川県川崎市i

ダイミョウセセリ

生い茂ったオニドコロの葉で、小さく切り取られ器用に折り畳まれた巣を見つけました。

これはダイミョウセセリというセセリチョウの幼虫が営巣したものです。普段はここに身を隠しながら葉を食べ成長していきます。

主にとっては邪魔極まり有りませんが、少しお邪魔させて撮らせてもらいました。見つけたのはまだ1cmほどの小さな主。

大きくトリミングして見ると、巣の内部は幾重にも糸が張り巡らされています。この糸が彼らにとっては命綱とも言える引っ掛かりなのです。
ダイミョウセセリという和名には諸説あるそうですが、僕は営巣された巣を大名屋敷と呼んだ所からなのではと勝手に想像しています。

【ダイミョウセセリ Daimio tethys】
2022.09.08 神奈川県川崎市i


オオスズメバチ

地元緑地の活動日。生い茂るハギの下を歩いていると頭上から物凄い羽音が聞こえて来ました。振り向くとそこにはオオスズメバチ。ハギに止まっていたアオドウガネを狙っていました。

f/5 1/125秒 ISO-200

僕がカメラを構えようとしている一瞬の間に、オオスズメバチはアオドウガネを捕らえ、頭から嚙み砕き始めていました。良く見ると右後脚のフ節のみで、自分と獲物の体重を支えてぶら下がっています。
甲虫を捕らえ嚙み砕き肉団子にするのは、オオスズメバチの専売特許のようで、他のスズメバチが捕えているのを見たことがまだありません。彼らは他種の昆虫の数を調整する重要な役割を持っています。近年自然公園などでもスズメバチ類を捕獲するトラップがあちらこちらで見られますが、考えさせられる難しい問題だと思います。

オオスズメバチ Vespa mandarinia】
2022.09.08 神奈川県川崎市i

ツクツクボウシ

早朝、自宅を出るとキハダの幹にツクツクボウシが止まっていることに気が付きました。

f/4.5 1/30秒 ISO-200

口吻を刺していたので吸水しているのかと思いながら撮っていましたが、近づく僕の気配に全く気付いていなかったので、寝ていたのかもしれません。

f/4 1/60秒 ISO-200

身近なツクツクボウシですが、近づいて良く見ると毛並みや模様の美しさに気が付かされます。

ツクツクボウシ Meimuna opalifera】
2022.09.07 神奈川県川崎市自宅