ガマ合戦の秘密基地 2022.03.05
ガマ合戦とは森で冬眠していたヒキガエルたちが水場に繰り出し、1匹の♀に複数の♂が抱接しそれにより産卵をする、1年の内この時期にだけ見られる行事です。
ヒキガエルに憧れていた2年前の冬、僕たち親子は探しに探してこの場所を見つけました。自宅から高速を使って45分ほどの所にある森の一角に水田があり、そこで合戦が行われます。
ヒキガエルがうじゃうじゃと100匹以上いる場所に、45分もかけてわざわざ行くファミリーなんて他にいないと思ったら、今年は先客の観察グループがいました。
しかしいたのは観察グループだけで、肝心のヒキガエルが1匹も見当たらないのです。水田を見渡してもあるのはヤマアカガエルの卵塊と孵化したてのオタマジャクシだけ(撮り忘れました)。地元のヒキガエルたちは起きていたけど、こちらの森のヒキガエルたちはまだ夢の中のようです。
諦めたファミリーの耳に聴こえてきたのはウグイスの鳴き声と物凄い羽音です。羽音のする方へ向かうと満開の白梅に数百匹はいるであろうニホンミツバチの姿がありました。
満開の白梅にニホンミツバチなんて、なんて絵になる構図。1年で今しか撮れない!
そう思ったのは僕だけで(後で頑張って撮り抑えました)、ヒキガエルを諦めきれなかった子供たちが森の方へ向かうと、日向の斜面に複数の蝶がテリ張り争いをしていました。
越冬明けのキタテハとテングチョウです。
数でも大きさでも圧倒的優位のキタテハは越冬明けとは思えないほど翅が綺麗でしたが、テングチョウの方は見るに耐えない姿でしたが今年初見だったので記念撮影。
キタテハとテングチョウと追いかけっこした息子たちは満足したようで、腹減った、喉乾いたとすでにご帰宅モードのご様子。そこは妻に任せて僕は白梅の元へUターンしニホンミツバチと白梅コラボを。
撮っている間に足元をチョロチョロ飛んでいる個体に気づきました。
これまた今年初見のベニシジミ。春型の翅は鮮やかでとても美しいです。
青いオオイヌノフグリとのツーショット撮影に成功しホクホクしていると、先ほどの観察グループ隊がご帰還のようです。
すれ違う際「何を撮っているの?」と声をかけられたので「ベニシジミを追いかけていました。」とかっこめに言うと、「シジミチョウならあそこに専門家がいるから聞いてみなよ」と指を指された方へ目を向けると、
あれ?見覚えがあるような。
「もしかしてイモムシ図鑑の著者の方ではないですか?」
「そうですよ」
忘れもしない3年前の冬、右も左もわからない状態なのに何故か地元のフユシャク観察会に参加した時に同行して下さった大先生でした。しかしもう3年前の自分ではありません。先生の話がすんなり頭に入って来る。話も弾む、中々戻ってこない僕を見かねて子供と妻が来るが関係ない。弾んだ話は1時間近かったかもしれません。名刺もいただき、来週の僕の地元で開催する糖蜜観察会にも誘っていただけました。
結局子供のグズリに負け、餌タイムへ。
給餌を終え、自宅までの帰路途中にある万旗が原自然公園へ寄ることにしました。
オカモトトゲエダシャクかトビモンオオエダシャク見つけよう!!
とファミリーに言いながら1人張り切る41歳の父。
しかしトイレや売店の壁や擬木柵を見るもシロフフユエダシャクやキマダラカメムシ、クサギカメムシしか見つかりません。
この建物の裏にあるクワの木に気づき、あの子いないかなーと1人観察していると
あっ!!!!!!!!!!!!!!
この冬探しに探していたクワエダシャクを、ついに自力で探すことが出来ました。
わーい(^^)/
思わず自販機でくつろいでいるファミリーを恥ずかし気無く大声で呼びます。
「クワエダシャクいたよ!!」
その後も探しますが、結局オカモトさんとトビモンさんには会えずじまい。
風も強くなり、花粉もとんでもなかったので早々に帰還致しました。