tame insect diary(仮)

生物多様性とは何か?植物や虫を観察し、探求する親子の日常を綴る

三度目の正直エゾヨツメ 2022.04.08

3/25,4/1とエゾヨツメとイボタガに会いに行ったが、見事にフラれてしまったので再々アタックして来ました。
4/6の水曜日辺りか気温がグッと上がって来ていて、この日はかなりコンディションが良さそうで期待大。高尾に行こうか迷ったけど、今回はライトを久々に焚こうと思い、被るのもイヤだったので秦野のお山へ向かいました。

到着時刻は19:00。
エゾヨツメは日没後すぐに活動し始めるので早めに点灯しておきたいところ。
僕はインバーター発電機を車のバッテリーに繋いで300Wの水銀灯を焚いている。しかし8ヶ月ぶりのライティング。+と-どちらから繋ぐのか忘れてしまったので説明書を読む(これ間違えるとバチッとショートします)。
無事点灯を終え、屋台を組みシートを被せるとすぐに最初の1頭が飛来してくれました。

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ライトに集まる虫は中々落ち着かないのが難点。オレンジ色の翅に蒼い顔状紋が美しい♂。

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触角がフサフサでウサ耳みたいなエゾヨツメの♂。

エゾヨツメ Aglia japonica
チョウ目カイコガ上科ヤママユガ
幼虫は広食性。ここではサクラを主に食べているそうです。
年一化(3月後半から4月中旬辺りまで)

f:id:tameinsect:20220410004307j:image♂の大きさはこのくらいですが、♀はもっと大きめです。

f:id:tameinsect:20220410004401j:image四つある顔状紋は構造色のようで、蒼く見えたり黒く見えたりします。

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エゾヨツが飛来して満足の次男坊は夜景を見ながらカップラーメンを。

立て続けに3頭の♂が飛来し、♀も来ないかなーと待ちましたが結局来ませんでした。ライトトラップには蛾の♀があまり飛んで来ません。もし♀が飛んで来たらその♀は大概交尾後のようです。
次のお目当てイボタガの飛来時間はもう少し先21:00頃からなので、周辺を散策。

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アオオサムシが足元をちょこまかと歩いていました。

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イボタガが卵を産むイボタノキにいたのはウスキオエダシャク。

トイレへ向かうと壁にエゾヨツメの翅が。。。

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くわえていたのはゴホントゲザトウムシ。森の掃除屋と言われる肉食の虫です。

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トイレの壁にはこんな綺麗で小さな蛾も。キオビクロヒゲナガ。

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夜の王者アシダカグモも出て来ていました。

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顔はちょっと可愛い?

ライトの場所へ戻ると、色んな虫が増えていました。その中でも存在感があったのがこのアオバシャチホコという蛾。脚も顔も毛むくじゃらでとても美しいカラーリングでした。

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シーツでは味気ないので近くにあった桜の幹に移して撮影会。

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見てくださいこの可愛さ、森の妖精感。

アオバシャチホコ Zaranga permagna
チョウ目シャチホコガ上科シャチホコガ科
幼虫はミズキ科のミズキやヤマボウシを食樹としているそうです。
年二化(4~5月、8~9月)

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ライトにはこんなお初虫も。キシタトゲシリアゲというシリアゲムシです。

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独特な長い口吻で虫の体液や花を食べるそう。良く見ると口周りに花粉?

ライトに引き寄せられた虫を撮っていると、僕の左手掌に嫌な感触が。
思わず振り払って地面を見てみると。。。

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もう発生していたヤマビル。吸われると血が止まらなくなるし、吸われていることに気づかないので厄介な存在。

山にはこの子とマダニがいるので対策は必須です。
結局22時まで粘るもイボタガは飛来せず。今年はお預けでしょうか。