tame insect diary(仮)

生物多様性とは何か?植物や虫を観察し、探求する親子の日常を綴る

地元谷戸散策 2022.04.09

昨晩の疲れがあったけど天気も良く、気温も上がっていたので色々と虫たちが起きて来ていそうだったので、今日は近場を次男坊と散策に出かけました。
出発は9:00~

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坂を下っていくと出迎えたのはエノキの幼木にいたアカボシゴマダラ。

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ドウダンツツジもいつの間にか咲いていました。

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アオキの雄花も満開。

谷戸に入ると最初に出迎えてくれたのがツマキチョウの♀でした。

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なんとかファインダ―に。オオアラセイトウに止まったツマキチョウ♀。

ツマキチョウと言う名の由来である端に黄色があるのが♂で無いのが♀です。
♀は飛んでいるとモンシロチョウと見分けが中々つきません。慣れてくると微妙な大きさや、チョンチョンと飛ぶ仕草がモンシロチョウとは違うので見分けが出来るようになって来ます。
とは言っても、会えるのは1年の内たった数週間なので慣れて来た頃にはいなくなってしまいます。

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奇跡的に撮れていたツマキチョウの雌雄。奥が♂です。



ツマキチョウを追いかけていると近くにブンブンと羽音が聴こえて来ました。

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オオアラセイトウの花粉をせっせと集めていたクマバチの♀。

クマバチの雌雄は顔で判別が出来ます。顔が真っ黒なのが♀で真ん中辺りがポツっと黄色いのが♂です。大概♂は縄張りを守るために上空をホバリングしています。
花などに来るのは♀が多く、ホバリングしているのは♂だと思ってほぼ間違いないです。♂は針が無く刺せないので、モフモフ感を触って堪能出来ます。触り過ぎは虫にダメージが大きくなるので優しくほんの少しだけ触ってみてください。

 

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タンポポの花の上で日向ぼっこ中のヤブキリの幼虫。

 

この時期のタンポポやハルジオンなどの花の上には高確率でヤブキリの幼虫がいます。大きくなると他の虫を食らう野蛮なイメージがありますが、小さい幼虫の頃は花を食べて育つためのようです。

 

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普段はヒラヒラと中々止まってくれないモンシロチョウ。何故か畑の土の上で微動だにしていませんでした。

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菜の花で吸蜜中のキタテハ。

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アオキの葉上で日光浴中の越冬明けウラギンシジミ♂。

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田んぼの脇に生えていたタガラシで吸蜜中のベニシジミ

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田んぼの奥にある木道下でゲンゲが見頃でした。

ゲンゲに吸蜜しに来ていたツマキチョウを次男がひと振り。

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毎年初振りする時に網の振り方を忘れるのはなんででしょう?久々の蝶にご満悦の様子。

チョウはこの他にムラサキシジミモンキチョウ、テングチョウ、ナミアゲハを確認。ナミアゲハはかなりの数が飛んでいました。テングチョウはエノキに産卵していましたが、惜しくも高すぎて撮影叶わず。。。

 

そろそろ出てるだろうなと毎年観察している木道先にある桜へ。
いましたいましたヒメヤママユの幼虫です。

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桜のひこばえにいたヒメヤママユの初齢幼虫。

僕の背丈位に生えているひこばえに必ずいてくれます。その辺りが成虫にとって産み付けやすいのかもしれません。大概1~2匹ずついるので卵も2個ずつくらい場所を空けて産み付けるのだと思っています。

ヒメヤママユの幼虫を探していると葉裏にキラッと輝く虫が。

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久しぶりの再会セモンジンガサハムシ。背中の綺麗な×が目印。

ジンガサハムシはヒルガオ、セモンジンガサハムシはサクラ、イチモンジカメノコハムシはムラサキシキブと奇主植物で覚えると探しやすいです。

広場に出ると次男坊が岩場から動きません。
何しているのか聞いた所「デカいカナヘビがいた」とのこと。
見に行くといたのはニホントカゲ
久々に見たので同定ミスした模様。

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隙間に隠れたのを2人で追い込みなんとか確保。虫よりも爬虫類や両生類の方が好きになって来た感じがします。

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岩場の下に生えて来ていたのは無数のエノキの実生。

エノキは発芽率が高いようで雑草のようにあちこちから生えて来るので至る所で目にします。(そのおかげで幼虫の飼育にはことかきません)

広場の木柵に盛んに飛んで来ていたのはキアシナガバチの新女王たちでした。

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良く観察していた所、口で集めて団子にしていたのは木柵に付着していた苔の模様。

アシナガバチはとても大人しい種なので、手を出さない限りまず襲って来ることはありません。特にこの時期の新女王は巣作りに忙しいので、僕らなんか相手にしている暇は無いようです。

ここの広場のコナラには高確率でナナフシモドキの赤ちゃんがいるので探しているといたのは。

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コナラの葉上にいたトラフコメツキ。暗かったのでフラッシュを焚こうとした途端強風が。。。

 

この時期見られるトラフコメツキ。特定の場所が決まっているわけではなさそうなので、いつどこで出会うかわからない虫の1つ。
トラフコメツキと出会ったのが11:00頃。
この辺りから風が強くなって来て、次男のお目当てだったシオヤトンボもまだのようだったので帰宅することに。

帰り際、見上げるとアジサイの葉に見覚えのあるシルエットが。

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この首の長さは間違いなくあのオトシブミ。

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来る時に確認したエゴノキにはいなかったエゴツルクビオトシブミ♂。

春先のエゴノキの葉に必ずいる本種。
噛みそうなくらい長い名前だけど、何故か覚えにくくはない?

アパート脇に生えていたスイバに無数の大きいテントウムシがいるなぁと近づいて見ると。

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いたのはなんとイタドリハムシ。

1株のスイバになんと4頭のイタドリハムシがいました。去年ここの谷戸で探すも見つからず、多摩川のイタドリで探すも見つからず、裏高尾でようやく出会えた本種。
なぜこんな所のスイバで繁殖しているのか謎であるが、行き慣れた場所でもこうゆう思わぬ収穫があるのが自然観察の醍醐味だと思います。

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名前の由来であるイタドリはこちら。

ドクダミのように地下茎で繁殖するため、1度生えると駆除が難しい野草。食用に出来るが、海外に移入し日本からの外来種として問題になっているそう。

しかし今日は季節外れの暖かさで最高気温23℃だったようです。
来週雨が降るようなので、そのあとから一気に色々なアゲハチョウも出てくることでしょう。

神奈川県川崎市