生田緑地観察会 2022.05.05
芋虫図鑑の大先生にお誘いをいただき、地元の緑地で芋虫観察をして来ました。
春の芋虫のピークは少し終わりかけていたようですが、それでもほんの200mほどの距離を1時間半観察しただけで、かなりの芋虫を見つけることが出来ました。
その中で種名を覚えているものだけでもご紹介出来ればと思います。
あんなに毎日オカモトさんオカモトさんと呟きながら歩いて探していたのに、結局今年は成虫に会うことが出来なかったオカモトさん。何故か幼虫は沢山出会う蛾アルアル。
このまま道路を横切ったら轢かれる可能性大なので、すかさずレスキューし垣根の下へ。
10時半集合でしたが、遅れないよう早めに到着して辺りをウロウロします。
野鳥観察方面の普通立ち入らないような場所で、高校生くらいの男の子が両親と共に昆虫観察をしているのがとても印象的でした。
我が家はあんな歳まで一緒に付き合ってくるだろうか、考えさせられました。
そうこうしている内に待ち合わせの時間になったので待ち合わせ場所へ。
先生たちと合流し、ご挨拶して観察スタート。
カラスヨトウの仲間は種類が多いですが、特にナンカイカラスヨトウとオオシマカラスヨトウは良く似ているそうです。
白い筋に黒い気門がオオシマカラスヨトウの特徴だそうです。
この子は胸脚の上に黒い寄生痕があります。
1cmほどのとても小さな繭ですが、幼虫も繭も地衣類に擬態しているそうです。
幼虫の食性も地衣類です。
サクラの葉に上手く擬態していますがわかりますでしょうか?
この日はこどもの日でもあり、緑地の人手も多かったですがこんな毛虫に気づかれる方は僕ら以外1人もいません。むしろ気づきたくないことでしょう。
サクラの観察が終わると向かいの茂みにあるウルシの葉を先生がチェックしていました。
オレンジ色の気門が特徴で、成虫はオカモトトゲエダシャクのような雰囲気を持っていました。成虫で見つけるのはとても難しそうです。
背中の白い紋と尾脚の上にある1対の突起が目印のハスオビエダシャク。
とても広い広食性なので色々な所で見られるそうです。
その為、成虫の数も多く見られます。
キリガ類の幼虫は僕には殆ど見分けがつきません。。。
この子の顔の後ろにポツリとある白い物はなんと寄生バエの卵。
すぐに孵化して幼虫の体内に潜り込み寄生するそうです。
残念ながらこの子の蛹からは寄生ハエが出てくることでしょう。
今年の初めから始めたフユシャク観察。
その中で成虫を撮れなかった種がこちらのクロスジフユエダシャク。
何故かというと成虫の出現時期が11月~12月なのですでに終わっていたのです。
なので成虫の写真は載せれません(笑)
坂の途中にツツジの垣根があるのですが、先生曰く「こうゆう広葉樹が沢山ある場所の下にあるツツジには、落ちて来た幼虫がしのぐために色々な種が見つけられます」とのことで僕らも観察。とそこにとても小さな(8mmほど)シャクガの幼虫が直立不動をしていました。
余りに小さく僕がスルーしてしまうとすかさず先生がトビモンオオエダシャクと教えてくださりました。感謝しかありません。
成虫には本当に縁がなかった冬のホルスタインことgoldaの幼虫です。
コナラ、サクラ、エノキと様々な広葉樹で見ることが出来ます。
ハバチの幼虫に擬態しているニトベエダシャクですが、チャイロキリガの幼虫も酷似しているそうで見分ける時に腹脚の数を確認していました。
腹脚が1対ならニトベエダシャク。4対ならチャイロキリガ。
成虫も見たことのないビロードハマキの幼虫を何匹も見つけていただきました。
許可をいただいて2匹持ち帰り飼育中です(^^)/
ようやくツツジの垣根が終わると看板の柱に良く見る毛虫が。
僕は良く見る幼虫でしたので、種名がわかってすっきりしました。
成虫は見たことが無いように思うので、来月辺り探してみたいと思っています。
毛の感じと色彩がとても特徴的で覚えやすい芋虫です。
あっと言う間に12時になってしまい、昼食を食べるために事務所へ向かうことに。
ウバメガシに挟まれている通路を歩くと枝にウサミミのあの子が歩いていました。
コナラやクヌギに穴を空けて樹液を出し、そこに集まって来る虫を食べて育つ肉食性の蛾です。幼虫は木の中にいるので初めて拝見しました。
昼食を食べ、採集していた蛾を展翅したりして16時過ぎに解散となりました。
帰りがけにススキに産卵しに来たクロコノマチョウとススキの葉にいたキマダラセセリの幼虫が今日のお見送りとなりました。
神奈川県川崎市